本屋大賞2022受賞作品
第二次世界大戦のナチスドイツに侵攻されるソ連の戦いをソ連側からの視点で描いた物語。
主人公がスナイパーということもあり、独特の緊張感のなか話が進んでいく。
残虐な描写もあり生ぬるい世界で生きている自分にはインパクトが強かったが、小説としてはとても読みやすく、分厚い本なのにサクサクと読み進めてしまった。
まさか狙って出版したなんてことはないだろうけど、ウクライナ戦争と、この物語が重なってしまい、悲惨な目に合う人がいるんだろうなと、想像がより鮮明になった。
ただ、一つだけ違うのは立場が真逆であるということ…
この物語の中ではナチスが敵で、その侵攻からロシアが国を守るというもの。登場人物などはフィクションでも歴史としては史実に基づいているようで、第二次世界大戦ではソ連がナチスドイツに攻められ、市民が虐殺され、村を焼かれ…
２０２２年の状況はロシアがウクライナに侵攻し、昨日の報道では首都キーフの近くの街で虐殺が起きて…
何が本当かはわからないけれど、人がたくさん死んでいるのは事実。
この小説の逆をいくのなら、ロシアが負けてウクライナが国を取り戻す。プーチンは…
歴史は繰り返すのか。新しい歴史が生まれるのか。
主人公が少女というところが秀逸で、戦争はいつも女性や子供や老人が殺され被害者となる。その少女がスナイパーという特殊な位置にいるため、精神世界もこの物語の読みどころ。
本だけの世界であってほしい。
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