赤と青とエスキース

本の話

2022年本屋大賞第2位ということで書店の入口に並んでいたので読んでみた

この物語の一枚の絵でエスキースとは下絵のことらしい

絵画に造詣があるどころか、芸術の良し悪しなんて一ミリもわからないし、パリコレの服がおしゃれですごいなんて一ミクロンも思ったことがないような人間でもこの物語には感情を動かされた

本屋大賞2位はうなずける読み心地の良さと、安定感

ちりばめられた伏線と最後に回収しきる気持ちよさから、すぐに読み切ってしまった

恋愛ものといえばそうかもしれないけれど、はじまりが20歳そこそこの若者の恋愛だが、最終的には50歳を過ぎての男と女の話

アラフォーの自分から見ると過去から未来までの恋愛を観ている感じで、甘ったるくて歯が痛くなるような感じではなく、大人の恋愛や関係もその視点から描いてくれているので読んでいて楽だった

 

個人的には、今現在でこの物語を読んで一番印象に残ったセリフが

「持っていられないのだ。熱すぎるものも、冷たすぎるものも。」

これだった

この本の中ではいろんな、さりげない、でもなんか刺さる言葉が出てくるが、今の自分の中で一番刺さった言葉はこれだった

この物語のヒロインの女性が最初に彼に会ったときに思ったこと

好きな人と付き合うことは、自分が傷つく可能性を受け入れること

熱すぎる恋は相手を焦がしてしまい、冷たすぎる恋だって相手を我慢できないくらいつらい状態にしてしまう

なんか最近、冷たすぎるほうの感じを嫁さんから感じてしまっているせいか

いつか自分も持っていられなくなる日が来るような気がして、なんだか物凄く心に刺さるフレーズだった

…という個人的な感情も踏まえつつだけど

最後まで読み終えて、赤と青とエスキースというタイトルがとても良いタイトルだと思った

またいい本と出合えた気がした一冊だった

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